日本板倉建築協会設立10周年記念 自由学園明日館にて開催

HOME News 日本板倉建築協会設立10周年記念 自由学園明日館にて開催

日本板倉建築協会設立10周年記念 自由学園明日館にて開催

自由学園明日館にて日本板倉建築協会設立10周年記念フォーラムが、5月16日に開催された。

2011年の東日本大震災では、被災された方々の住宅不足によって、福島県では、いわき市内に200戸の板倉仮設住宅が採用された。そのことなどが契機となり、筑波大学名誉教授安藤邦廣先生の起案によって、2014年、一般社団法人日本板倉建築協会が設立され早いもので10年となった。2011年の4月三島町にて生まれた板倉仮設住宅方式は、会津若松市内でも建てられ、役目を終えた4年後には、少しのリニューアルで、大熊町の復興住宅として甦った(いたくら3号掲載)、また、いわき市での被災者住宅は岡山県総社市の水害被害者の仮の住まいとして、いわき市当地で解体され48戸が2018年8月に総社市内に移築(いたくら5号掲載)、その後一部が公営住宅として現在も望まれた方々の住まいとして活かされている。

2024年3月末には、協会誌「いたくら」10号が刊行。
兵庫県や、和歌山県、愛知県などの都心部に住まわれていた方が、郊外や地方に移転して板倉の住まいを芯に据えての新しい人生を創出された方々の特集、昨年は長野県を中心に冬はペチカで暖をとられる方々、穏やかな空気が漂う住宅の紹介にて、私自身も東日本大震災以後、板倉住宅の様々を口絵などの撮影体験を通して、日本列島、日本の風土と住まいの在りようなど学んでいる。

10周年記念フォーラムでは、講演「能登地震の被害と防災について」国立研究開発法人つくばの建築研究所、防火研究主任研究員、水上点晴氏が登壇され、輪島の地震からの大火災の原因究明などを、1923年の関東大震災の大火災なども例にとりながらのお話、目を見張るものがあった。
昨年NHKにて、100年前の関東大震災の映像が、モノクロ映像から着色されカラー映像となり特集されたが、色のついた大火災の臨場感に驚き、当時の若者や人々の生き生きとした姿が再現されていることにも魅せられたのだが、その監修にも関わられた方でもあったことを知った。

能登大震災で被災された多くの方々に、お見舞いを申し上げます。